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ISSUE 01|見習い職人

  • 4 hours ago
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#01|見習い職人

教わったものが、いつか自分の仕事になるまで。



京都山本製革店には、いま「見習い職人」がいます。


革を切ること。

縫うこと。

道具を使うこと。


職人になるために、一つひとつの技術を学んでいる途中です。


けれど、

私たちが考える「見習う」という時間は、技術を身につけることだけではありません。


ものをどう見るのか。

なぜ、こうつくるのか。

誰のためにつくるのか。


先にいる職人の仕事を見ながら、自分で考え、自分の手で確かめていく。

その時間もまた、京都山本製革店のものづくりの一部です。



背中から、学ぶこと。


工房では、教えてもらうことだけが学びではありません。


オーナー職人が革を見ている時間。

作品の形を何度も考えている姿。

道具を扱う手つき。


その一つひとつにも、ものづくりへの向き合い方が表れています。


工房には、オーナー職人が革の本場フィレンツェで手にした一冊のノートがあります。



そこには、ものづくりについて考えたことや、その時々の記録が残されています。


見習い職人が学ぶのは、そこに書かれていることだけではありません。


つくる前に考えること。

簡単に答えを出さないこと。

よりよい形を探し続けること。


そうやってものづくりに向き合う、職人の姿そのものから学んでいきます。


いいものは、つくる前から始まっている。


それも、工房で少しずつ受け取っていくもののひとつなのだと思います。



見習うこと。


教わって、やってみる。

うまくいかなければ、考える。

そして、もう一度やってみる。


道具を整えることも、

使ったものを元の場所へ戻すことも、

次に使う人のことを考えることも。


一見、小さなことのようですが、そうしたところにも仕事への向き合い方は表れます。



まだ、できないこともある。知らないこともある。

けれど、その一つひとつに向き合うことで、少しずつ自分の手に変わっていく。

見習うというのは、誰かとまったく同じになることではなく、


受け取ったものを自分の中で重ねながら、

いつか自分なりの仕事を見つけていくことなのかもしれません。



見習い職人と、舞妓印。


京都山本製革店の印には、舞妓の姿があります。


京都らしさを表すためだけに、この姿を選んだわけではありません。

舞妓さんには、一人前の芸妓さんになるまでの時間があります。


教わること。

先輩の姿を見ること。

何度も繰り返すこと。


そうして一つひとつを身につけながら、

やがて、その人らしい所作や表現へと変わっていく。


私たちはその姿に、職人が育っていく過程を重ねています。



職人も、最初から職人だったわけではありません。

先にいる人から学び、何度も手を動かし、失敗し、考え、またつくる。


そしていつか、教わったことをただ再現するのではなく、

自分で考え、自分の手で仕事をするようになる。


舞妓から芸妓へ。見習いから、一人の職人へ。


だから京都山本製革店にとって、

「見習う」という時間は、ブランドの中にもともとあるものです。


完成してから、初めてブランドの一部になるのではありません。


学んでいる今も。

迷いながら考えている今も。

手を動かしている今も。


そのすべてが、これからの京都山本製革店につながっています。


そして、一人ひとりの手や考え方には、少しずつ違いがあります。


その違いも含めて、手仕事のひとつの個性として大切にしたい。

そんな想いは、stitch.のロゴにあるふたつの「t」の小さなずれにも込めています。


同じものを学んでも、同じ職人になるわけではない。

いつか、その人なりの仕事になる。


だから私たちは、完成した姿だけではなく、

そこへ向かう途中も残していきたいと思います。


見習う時間もまた、京都山本製革店のものづくりです。

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